Tony 3 奇抜な行動
トニーとリリーはアーティストだ。
トニーは映像、音楽、絵画、などジャンルを問わずどんなアートにも興味があり、今まで一緒に数え切れない遊びをしてきたが、彼は一見長続きしない性格だが、アートを柔軟に考えて生活や哲学に組み込んでいる本物のアーティストだと思う。リリーはメルボルンでプロのダンサーとして活動し、単独、グループを問わず様々なイベントに参加したり教えたりし、オーストラリアのCMなどにも出た経緯がある。トニーとの出会いも、タスマニアのアートの祭典、MONAに出演したのがきっかけだった。
2人が一緒にいると、想像力というものが相乗的に積み重ねあげられて、いつでも新しい事にチャレンジしているように見えた。この想像力というものはアートの世界の要素として無くてはならないモノかもしれないが、それを実行する行動力を兼ね備えていることも同じくらい大事かもしれない。
彼らは固定観念を壊して一歩踏み出すことが自然にできる人たちだ。
この日、彼らは突然体中に泥を塗りたくって寝る準備を始めた。ここ最近Scabiesと呼ばれるダニのかゆみに苦しんでいた彼らは、アボリジニの治療法として泥を塗るのが有効だと聞いて早速実践したのだ。
結局この治療法は失敗に終わった。彼らは夜中に気持ち悪くなり、シャワーを浴びてシーツを変えて寝ることになった。海岸沿いから持ってきた泥だけに、塩分が多量に含まれており、体内に何か毒素を吸収してしまったからかもしれない。そもそもアボリジニが普段から伝統的に泥を体に塗っていてダニに噛まれなかったのは、治療法ではなく予防法だったのかもしれない。いずれにせよ、泥は海水から取ったものではなかったらしい。
とにかく、何の意味も持たないかもしれない失敗を経験してもひるまず、遊び半分でも実行する行動力があると、人は楽しい。
PS, 衣類や繊維のある家具などを通して人から人へ感染するこのScabiesに、数日後から僕もやられた、、、、
人気ブログランキングへ
by hideoku0413
| 2013-07-08 01:19
| 人物ドキュメント