ある日の狩猟
ウォルターとルースの家に短期間居候していたKen。もともとここの地元民だが、今はここから車で40分ほどのBarrallatでバスの運転手をするため家を探している。昼は運転手をしているが、本当の顔はハンター。根っからのハンターでこの地で15歳から手ほどきを受けて、今では新米猟師に教える仕事をしているほど。彼の車には4丁のライフルとショットガンがあったが、家のも合わせると12丁も持っている。日本製もあったのが驚きだ。僕が興味を示したことで一緒に狩猟に行くことの決まった。
運転席の真上は、スポットライトを取り付けて内部から操作することのでき、スポットライト用の別途バッテリーが備えられている。4WDで完全に猟仕様の車。
射撃の練習のためKenの知り合いのRodneyの家に向かった。彼の家の裏庭には手作りの射撃場がある。
草の後ろにある50mの距離を狙う小さな的に、
コンクリート詰めされた古い車のボンネットの100mの的を狙って練習する。基礎を何度もしっかりと教えてくれた上、僕にも好きなだけ撃たせてくれる。3丁のライフルに仕様の違う種類の弾を試す。
何度も撃った弾がどこに命中したかをチェックしに行く。
炸裂する弾を使って僕が撃ったコーラ缶。100m先でも恐ろしい威力だ。
続いてはショットガンの射撃。動いているウサギを仮定しての射撃のため、市販の石灰の円盤を発射させて転がっているところを狙う。
ショットガンの肩への衝撃はすごい。反動が大きいので前傾し、銃尻を頬を付けるくらい肩と胸の間に食い込ませる。2連発なので1発目で体制を崩してしまい、2発目で衝撃が肩に受けることが多かった。
夕暮れにKenと2人で実践に向かう。ライフル一人一丁づつ。Kenは普段外来種の鹿を狙うが、今回の得物は増えすぎて固有種の有袋類の住処やエサを奪っている外来種のウサギとキツネ。近隣の農家との知り合いの多いKenが知り合いの広い放牧地での猟の許可を得た。
猟の持ち物で手がふさがっているので写真は諦めたが、弱った子羊の鳴き声を模した笛を吹くと、キツネが遠くの草原から猛ダッシュで近づいてくるのが見える。Kenが撃った弾は当たったように見えたが近づいていくうちに逃げ出してしまった。今夜の得物は僕が仕留めたウサギ一匹のみだった。
次の日の夕飯は、自らウォルターの家でさばいたウサギのローストを作って大事に食させてもらった。釣りなども同じだが、自分で仕留めた得物を食べる狩猟という人間の本能的な歓びを味わうことができた。
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by hideoku0413
| 2016-02-04 21:10
| オーストラリア本土