Nowhere To Hide

カテゴリ:人物ドキュメント( 15 )

tonyの家族













砂漠地帯へ赴く道すがら、内陸の炭鉱の町バララットにタスマニアからの親友トニーが住んでいる。彼が結婚して娘ができて以来あまり会う機会は多くないが、近くを通る時には必ず会いに行く。

今年は新居を手に入れたとのこともあり、見に行った。
新居とは言っても1900年代始めに造られた由緒あるレンガ造りの古い家だが、オーストラリアの家にしてはかなり狭い。まだまだやることが多いリフォーム途中の家なので、僕のような人手は歓迎される。ただ単に肉体労働をする人間として迎え入れられたようなもんだ。

毎度恒例になりつつある娘の写真を撮る。彼らは特にカメラ好きな夫婦ではないので、娘の写真を撮って送ってあげるのも僕の目的の一つだ。






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by hideoku0413 | 2016-08-10 05:08 | 人物ドキュメント | Comments(0)

ジムとスージーの贅沢な暮らし 2 Bay of Fires Honey
















タスマニアの北東部Bay of Firesで蜂蜜の事業をしているジムとスージー。ホバートにある家に居候させてもらっている恩もあって、車で約5時間かかる彼らのベースに5日間ほど手伝いに行った。

彼らの蜂蜜ブランドのプロモーションも兼ねて写真撮影し、限定的ではあるが収穫作業の手伝いなどを行いながらキャンプ生活をした。養蜂に関してワークショップなども行う彼らは、経験により培った知識があるが、僕自身も学習するには自然を相手にする蜂とともにある一定期間作業に従事する必要がある。蜂と一緒に生活することで学習できることが多々あるだろう。事実ジムとスージーもどこかの養蜂家で修行を積んだのではなく、手探りで少しづつ理解していった。

養蜂は時期によってはやることは山ほどある。2人だけで作業するには限界があるので少しでも手助けになればと思っている。その他にもジムの土地の生活エリアにドンドン生えてきているユーカリや灌木の駆除の仕事などが山積みだ。この日、たくさんある巣箱のいくつかの蜂蜜の採集、病気の有無の確認などを行った。






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by hideoku0413 | 2016-04-20 20:07 | 人物ドキュメント | Comments(0)

ジムとスージーの贅沢な暮らし 1





















タスマニアの北東部Bay of Fireと呼ばれるきれいな海岸のある地域に50エーカー程の大きな土地を持つジム。もう20年以上も住むその土地には家は無い。別に貧困のため家を建てないのではなく、キャラバンと呼ばれる移動式車輛での生活で十分だからだ。

パートナーのスージーはここにずっと家を建ててくれるのを待ち望んでいるが、金銭的な問題で建てないのではないく、あくまでもジムが必要と感じていないだけだ。現にスージーは数か所の土地を保有し、タスマニアの州都のホバートには山の麓に大きな家を持っている。そのホバートの家を管理しながら住まわせてもらっているのは、何を隠そう僕だ。

ホバートに立派な家を持ちながら、なぜそこに住まないのかというと、ジムが地元を離れたくないということもあるが、彼ら2人でビジネスとして行っている蜂蜜事業のためだ。もう5年程かけて2人でオーガニックな蜂蜜事業を少しづつ始め、少しづつ口づてで地元での人気が上昇してきている。

土地もお金もある2人が敢えて電気もない土地で暮らし、野菜を育てて無駄のない自然に負荷のない暮らしができるタスマニアの環境は、先進国の暮らしに比べてとても贅沢だ。時にはレストランで食事したり買い物したり映画見に行ったりとバランスが大事だと思うが、社会の風潮に流されずに自分たちのスタイルを形成しつつ、生活することができるのが理想のように思える。ジムは59歳にもかかわらず毎日のように数分しか離れていないビーチに行ってサーフィンをし、社会的にストレスのない生活が自分に向いているというのを知っている。何度か一緒にサーフィンに行ったり土木作業をしたりしたが、確実に僕より基礎体力がある。






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大きな土地に2つあるキャラバンの一つが後ろに見える。キッチンや居間として利用している。もう一つはクローゼットと寝室用。




















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手作りのシャワー室。シャワーを使う前に屋根の上のシンクに水を補給する必要がある。雨の日は自動で雨が溜まる、、、。室内の熱湯用と攪拌する用の冷水用タンクとして利用。




















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造りはチップヒーターと呼ばれる、薪で銅管の中の水が熱せられ、熱い水が上に上がる現象を利用して銅管内の水を循環させる工法。シンプルな造りをリサイクル品で自作溶接して作成した。屋根の上の冷水用タンクの他、シャワーヘッドの真上にも熱水と冷水が混ぜるためのタンクが付いている。使わせてもらったが、適温にするのにかなり慣れが必要な造り。


















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何でもできることは自分でやるジムは、流木を使っての杖作りをしていた。ガラス玉や貝殻を使っての飾り物も、地元の小さなマーケットで売っていた。




















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酒もたばこもやらないジムは食にこだわりがあり、野菜を作るのは勿論、パンも自分で焼く。シンプルな生活の中に必要なもはきちんと揃っている。




















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キャラバンの中は2人プラス子犬でちょうどいいサイズ。中は改造され薪ストーブで暖を取れば狭い室内はすぐに暖かくなる。小さな太陽光パネルだけでLEDライトを賄うのに十分な発電量がある。





















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今はほとんど魚、肉は口にしないジムだが、この日は僕が泊まっているのもあってすぐ近くの海辺に釣りに行った。ジムは元々小さな漁船を操る漁師だったが、この日は釣れなかった。僕が釣った2匹の白身魚が夕食になった。



















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by hideoku0413 | 2016-04-19 20:50 | 人物ドキュメント | Comments(0)

釣り師Tim















まだ僕がタスマニアに来たての頃に知り合ったTimは根っからの釣り好きなヤツだ。タスマニア中の漁場に精通していることは勿論、釣りの雑誌は毎月欠かさず購入し、日本に来たことが無いにも関わらず、なぜか日本の釣り場なども知っているツリキチだ。釣り竿を使う釣りの他、網や銛を使ってあらゆるタスマニアの魚介類を釣ってくる。

彼は釣り中心の生活を求めて5年前にタスマニアの東海岸に位置するSt. Helensに引っ越して以来、小銭を稼ぎながら湾に面した小屋を借りて住みついている。元々西オーストラリア州出身の彼だが、もうタスマニアを一生の住処としているようだ。







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by hideoku0413 | 2016-04-14 19:59 | 人物ドキュメント | Comments(0)

砂漠の仙人 2


















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前回に続きアリススプリングスの学者のピーターの家。こう見えてもピーターはプレイボーイである。この町のような小さなコミュニティー内での異性との噂が絶えない。町の中でピーターを知っている人が彼のことをあまり良く思っていない人もいるようだが、ピーターはそんなこと一切気にしない。ミングルパと呼ばれる灰を混ぜた噛みタバコを噛みながら、とことん我が道を行く。


















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そんなピーターが以前の恋人の勧めで購入したアボリジニの絵画。上空から見たあるアボリジニの土地のイメージだ。精神の渦の外側に描かれた丘の地形、水のある池(枯れている池も多い)、マルガという固い灌木の林に山火事で燃えた林を表現している。



















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地質学者としても著名なピーターは各地を歩き回った際に岩石、化石を収集する。世界各地で化石となって発見されているが、西オーストラリアのみ現生しているストロマトライトの化石もある。




















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彼が広い土地の固有種を案内してくれる。隣人宅は家畜によって外来種がはびこり、単一種の草のみだが、ピーターは長い年月をかけて40種類以上の多様な固有種の裏庭を維持している。




















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タスマニアでは目にも耳にもしない植物をわかりやすく説明してくれる。

ベビーパウダーのように使えるCork Woodの黒い灰

幹を切ると牛肉のような赤身のBeef Wood

アボリジニの葬式などセレモニーに燃やす木として重要で、言い伝えでは母親が死んだ赤ん坊に乳を飲ませるためこの木を煎じて飲んだところ男でも乳が出るというEmu Bush

樹液が傷に効き、薪としても良く、コブが水桶として利用でき、飲み水が溜まりやすい形で、実がきれいで装飾に向いている等使い道が多いため別名スーパーマーケットツリーと呼ぶBlood Gum

等々、細かい草木や灌木まで自ら育ててきた固有種の植物を根気強く観察してきたからこそ理解できる実用性に富んだ知識を持ち合わせており、この砂漠地帯で幼少期から生きてきた経験が培われている。









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by hideoku0413 | 2016-01-04 22:11 | 人物ドキュメント | Comments(0)

砂漠の仙人 1

















ワイルドで話好きなオッサンだが、実はここAlice Springsでは著名な植物、動物、地質学者、作家であるピーター・ラッツ氏。今までこの地域の植物に関し、多数のメディアや出版社、学会で無二の専門家として知られている。得てして天才は奇才が多いがピーターもそんな部類に入る人格の持ち主だ。彼の家を訪れる機会があった。

約60年前の生後間もなく、キリスト教布教活動に宣教師として訪れた父親とともに家族でこの近辺のアボリジニのコミュニティーの移り住んだ。当時白人がほとんどいない社会でアボリジニたちの家族とともに貴重な青年期を送る。






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アボリジニにはDreamと呼ばれる、動植物や無機物に精神の宿る考え方があるが、このGhost Gumという種のユーカリにはDancing LadyというDreamが宿っているそう。木肌が若い人間の女性のようで、隣のあまり様相の良くないユーカリが見せびらかすな、といっているそう。



















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一緒にここピーターの家を訪れたスチュイ。この家の周りには無造作に鉱物や植物の標本が所狭しと散乱している。




















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by hideoku0413 | 2016-01-02 20:24 | 人物ドキュメント | Comments(2)

画家のジョージ
















約10年前、タスマニアの大学院で出会ったジョージ。南アフリカからの移民の彼とは環境系の学部で出会い、英語のつたない僕にとって彼は歳も近く気さくに接せれる存在だった。

膝の悪い彼は、タスマニアが冬の間、オーストラリア本土の温かい土地での暮らすスタイルを確立しつつあった。本土で何をしているのかは知らなかったが、約4,5年ぶりに連絡をとって会いにいったら、彼は画家になっていた。

いかにも自由でオープンなオーストラリアらしく、誰かの絵画を見てオレにもできそうだ、という単純な理由でも、センスや売り込み次第でそれなりになってしまうのがオーストラリアかもしれない。まあ彼の作品の好みには賛否両論あるかもしれないが、タスマニアでそんなこと一切していなかったジョージが画家として、しかも展覧会を開けるスペースすら確保しているのには驚いた。






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by hideoku0413 | 2015-12-08 21:20 | 人物ドキュメント | Comments(0)

仙人的生活 岡山 3














ユーホーさんの土地に泊まった次の日の朝、霜が降りた。テントの中は寒いながらも外気温とは違うが、ユーホーさんの家の中は恐ろしく寒かった。暖炉なり薪ストーブを取り付ければ快適になるんだが、と思うのは庶民の考えだろうか。

彼は貧乏なわけではない。ただ自分のスタンスにこだわって余計なものを買わないだけだ。

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朝食は普段食べないそうだが、僕が持ち込んだパンを焼くと普通に食べる。彼一人だと町に行って買い物をするのが面倒だという考えもあり、贅沢なものは一切口にせず、食生活では一切の無駄を省いている。

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ユーホーさんは、尋ねたことにゆっくり考え、従順に応えてくれる。彼は人がいると人のことを気にしてしまい、人のやることに合わせなければならないと思ってしまうのだと言う。社会生活に苦手意識があるのを自覚しつつ彼なりに考えた結果が今の生活スタイルだった。それでも僕がいる間、彼なりに一生懸命接してくれたのがわかった。嫌がって心を閉ざしているのではなく、人と接する苦手意識から、他人を尊重しつつ距離を保っているだけだ。





















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by hideoku0413 | 2015-11-08 20:41 | 人物ドキュメント | Comments(0)

仙人的生活 岡山 2















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いつもの場所に落ち着くユーホーさん。玄関兼炊事場兼瞑想場となっている。

一人で暮らすことを前提に配置されている炊事場や生活用具が彼を取り囲む。訪問者を予期していないのでもとより僕が腰を落ち着かせる場所はそこには無い。

酒やつまみは僕が持ち込んだモノ。普段ユーホーさんは一切そういったものを口にしないが、勧められたモノは酒でも肉でも甘いものでも何でも食べる。















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彼の持論では、いつも食べている雑穀と納豆は体に不純物をため込まないので臭くならないのだそう。現にここには風呂やシャワー設備が無く、都内に一度帰った時以外もう数年ほど体を洗っていないとのことだ。夏の間の畑仕事でも脂っこい汗もでないのだと言う。なので洗濯も必要なく、食器も洗わない主義。今まで自分の体の反応に繊細に耳を傾けて体験してきた自信から育んだ、確固たる考えがある。

誰にお咎めを受ける訳でもなく、彼がそれで不快でなければ何の問題もない生活。

















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お湯を沸かしてくれるが、自分用のコップしかない。僕もキャンプ用品を揃えて自分の備品を準備する。





















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彼は彼の生き方を貫くことに生きがいを感じているのかもしれない。

社会に適合しない性格なのはわかっている。社会に媚びを売ってでも生きていく方が楽かもしれないが、誰に褒められる訳でもなく自分の畑を耕すことで、自然との接点を見出してそこに宇宙とのつながりを感じているように見える。

毎日の刺激を求める生活ではなく、ひたすら自分自身に向き合い自問自答する生活。もう既に悟りの境地にいるのかもしれない。














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手前左の雑穀と上の自家製納豆。彼の食事は基本的にこれだけだ。タスマニアで会って以来変わっていない。まれに僕が持ち込んだお菓子や、小屋に住みついたネズミやポッサムを捕まえて食べたそう。タスマニアの自然の中にいるネズミはドブネズミのように病原菌はほとんどないかもしれないが、それにしても合理的だ。

福岡正信さんの自然農法を厳格に守ろうとする思いが強く、タスマニアに住んでいる約4年間の間に作った野菜は、強い種を作るという理由から一切食べなかった。

何という強い精神力だろうか。食生活や生活の場にも一切妥協を許さず快適さを求めない。目の前の快適さに流されずどこか遠い未来や宇宙に視点が置かれているようだ。












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どうしても理解できないことがある。

小屋裏にあるトイレはなぜか引いてきた水路の真横に位置する。水路は確実に浄化せずに汚染されているだろう。トイレより下流では水は汲まないというが、その汚染水が小屋の横、そして炊事場の真横を通っているのだが。

















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by hideoku0413 | 2015-11-07 20:20 | 人物ドキュメント | Comments(0)

仙人的生活 岡山 1














以前ブログ内で紹介した「強い精神の持ち主」のこの人物の話を少ししたい。






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彼の名前はユーホーさん。

僕がユーホーさんに会った2010年当時、彼がタスマニアに住んで既に数年が経っていたと思う。

その住処は、タスマニアの中でも大部分が国立公園、世界遺産地域に指定されている西側に位置する、クレイドル山国立公園よりほど近いLorrinaという自給自足を主とする小さなコミュニティーの村だった。

僕は他の人物に会う目的でこの村を訪ねたが、偶然にも日本人が住んでいるとの情報を得て彼に会うことができた。

彼は今までのキャリアを捨ててオーストラリア中を流れに任せて移動し、ようやく理想に近いLorrinaにたどり着いたそうだった。彼の求める、人との関わりの無い穏やかで静かな地を求めて。








一大決心してLorrinaに移住してきたその彼が、何と2013年頃にそこを離れ、今は岡山の人里離れた山野の中でひっそりと暮らしている。

何でもLorrinaのような小さな村でも、ユーホーさんにとっては人付き合いが煩わしくなったかららしかった。確かに他のコミュニティーとほとんど接点の無い小さな集まりほど、村内の絆は強いのかもしれない。お互い助け合ったり分け合って生活しているからだ。そのうち村の祭りやらマーケットやらで色々手伝ううちに、人間関係がユーホーさんの思った通りに行かなくなったのかもしれない。

彼がタスマニアを離れる前に連絡が来たのを覚えている。近くを訪れた時は是非土産持参で来てくれと。何にでもノコノコ顔を出す僕は、教えられた住所をつてに彼の住処を訪れた。2014年1月の事だ。

本当に、彼にとってそれこそ理想的な場所をそこに見つけた。












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車で町から30分ほど離れた小さい集落がいくつかあるその更に奥地の山、谷合いの土地に彼は住んでいた。車でたどり着くにはかなりの根性が必要な道を進んだ。谷合いのため太陽は中々上ってこない。ここより上は民家や人の訪れるところは無い。完全に孤立できる場所だ。家の手前の畑は放置されていたがユーホーさんが手を入れる。建築やDIY的な知識の無いユーホーさんは、キットハウスと呼ばれるプレカットされた材木を組み合わせてプラモのように家を建てた。



















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広い土地には理想にかなった大きな池がある。水道をひかなくても十分に事足りる。飲み水や農業用水として利用している。




















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久しぶりに会ったユーホーさん。ちょっと以前よりおしゃれになっていた。彼は元から話好きな性格ではないので、すぐに話が途切れる。久々に人と会ったようだった。この数か月で郵便屋さんとしか話していないと言っていた。



















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彼は決して流行りや憧れで自給自足をしているのではない。福岡正信さんの有機農法に関しては抜群の知識を持っているものの、現にそこに生えている植物などにはほとんど関心がなく、食べられる果実や自然薯などの見分け方も認識していなかった。彼の偏った学習能力とこだわりには哲学的な感じにさえ見える。ジャンルと性格は違うが南方熊楠のような隠棲生活のようだ。



















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一応ログと呼べる程度の材木で作られた小屋だが、驚くほど寒い。壁はログである程度断熱効果があるだろうが、天井、床に断熱材は一切無い。寒いはずだ。しかし彼は薪を集めて暖をとることを好まない。快適さを求めていないのだ。料理に使う薪も自然に死んで折れた枝等を使うというこだわり。



















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家の中は太陽光発電以外の電気は無い。でも太陽光がこの谷間に入り込むのは僅かな時間だ。





















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タスマニア時代からお馴染みの万年床だった。





















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by hideoku0413 | 2015-11-06 23:08 | 人物ドキュメント | Comments(0)