ブッシュウォーキング Wadeye 2
Soloは寡黙な男だ。僕がいきなりこのグループに加わっても特に関知することなく、ウィリアムから離れた団体を率いて進んでいく。
子供たちは気楽に寄り道して僕にちょっかい出しながら何とかついていく。
突然近くで銃声が続けて2発聞こえた。ウィリアムがカンガルーに放ったものだ。我々は興奮気味に歓喜を上げ、銃声が聞こえた方に近づいていく。
残念ながら、カンガルーは仕留められなかったようだ。ウィリアムも気まずそうに僕に苦笑いを浮かべる。ここから更に別行動で落ち合う場所を話し合う。
彼はこのWadeyeで陸軍を率いていた人間だ。銃の扱いには慣れている。カンガルーを仕留めることなど訳もないはずだ。が、ここにも地球温暖化の影響が押し寄せている。普段この時期には降水量が多く、今まで育って乾燥した草木達は雨の重みで倒れているそうだ。しかし今年の降水量が少なかったため、草木が鬱蒼としてしまっている。そのせいで仕留められるはずのカンガルー達の姿がよく見えず、猟をするのに手こずってしまっている。
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by hideoku0413
| 2013-06-24 02:43
| アボリジニの町Wadeye