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Nowhere To Hide 無宿モノの世界中ポートレート

仏塔復興プロジェクト 34 仏塔仕上げ作業














よくぞここまでやった、と自分を含め村人や寄付者、ボランティア、職人に言える形になった。

もう仏塔自体は最終仕上げ作業だ。床、台座を含め完成と呼べるところまで来ている。自分自身も信じられない。ローカルスタッフである通訳の助けを得たことも大きいが、本当にここまで形になるとは思えなかった過去の経緯がある。一人で何週間も日曜日に現場に通いつめ、草刈り、ガレキ撤去を進めた。唯一の休暇日を犠牲にする気の遠くなる作業だったが、何故か使命感のある作業のため不思議と苦痛は感じなかった。その後、通訳であるチッコン君の助けにより建築許可を得、職人との会合を済ませ、途中から村人の同情にも近い援助の手を差し伸べられたことにより実行に移ることができた。また材料費を大幅に寄付してくれた現ODA業務プロジェクトの下請け会社の社長の援助も不可避だった。

波に乗り始めると本当にたくさんの賛同を得て自信も増し、同僚T氏のお陰で海外からの救いの手も加わった。中国に住む日本人のS氏と友人達からは寄付金と資材を得、現プロジェクトの雇用先の上司は本社また支店へ寄付金を募ってくれた。現業務プロジェクトの元受けであるミャンマー保健省の参事官からの寄付金も得た。

なんともありがたい話だ。僕が勝手に始めたことに周りの人たちがサポートしてくれたおかげでこの仏塔が建っていることは間違いない。






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床の施工も早い。一旦際を決めるとドンドン仕上がっていく。






















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内部の床も迅速に進み、こんな具合に納まった。床の外側のみレンガで積み、内部は砂を敷き詰めた上、レンガを敷く。





















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ミャンマー語で何と言ったか忘れたが、これはお参りに来た人が仮に置く献花台のようなもののようだ。もちろん花だけではないが。今頃になってここに以前献花台があった土台が発掘されたため、余ったレンガで職人さんたちが同位置に造ってくれた。僕は始めただのモノ置きか?と質問したが、キツく否定された。普通入口のある側にこの台を建設するが、現メインの入口とは反対に位置する。以前の入口がこちら側にあったことを証明するものだ。だが現在はこの方向には村は無い。戦時中の爆撃により破壊されたため、今ある村が反対側に建設された。




















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外部の床もこのように仕上がった。この時点で仏塔内部へは靴、及びサンダル履きはご法度。ミャンマーでは寺院仏塔境内に入る際には出家者以外は必ず裸足になるしきたりだ。直射日光で熱せられたレンガ、砂は普段素足に慣れていない人間には拷問に近い苦痛なことこの上ない。






















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主仏塔の外側に位置する4点の小型仏塔(アヤンゼーディー)もこのように仕上がった。4つのうち一つは僕が手掛けた。まずまずな出来映えだ。





















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タバナー(奉納品)が納められ、お経を読み上げられたこの仏塔は、この時点で仏塔建設は完成と呼べる。しかしここの仏塔自体はまだ完成ではない。僕は今まで当たり前のように考えていたが、ミャンマーでは仏塔だけの建物、内部に仏像が鎮座しているものがある。

ここの仏塔は仏像が鎮座する仏塔だ。もともと僕がこのプロジェクトを発足したきっかけとも言える、旧日本軍の砲撃により破壊され頭部のみ残った仏像の残骸。この仏頭を据え直すのが僕の使命と感じていた。ここにきてやっと仏像建築に着手することができる。今まで雨季前にできるだけ作業を進め、僕自身も日曜日のみ作業に参加することができる理由から、満足いくほど手を加えられていないのが実情だが、この作業だけは僕が陣頭指揮を執る必要があると思っている。




















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by hideoku0413 | 2014-09-27 01:47 | ミャンマー仏塔復興プロジェクト